
父の仇を討ち脱藩浪人となった式部右近は、元盗っ人で箱根で湯宿を営む吉兵衛と出会い、共に江戸へ向かう。一方、奉公先で事件を起こした小夜は、身を隠すために江戸で巫女になっていた。三人は行きつけの居酒屋で出会い、互いが抱える過去に共感を覚え、意気投合する。そんなある日、吉兵衛の昔の仲間が自ら命を断った。その裏に悪徳役人の存在を感じ取った三人は闇討ちを決意する。殺し屋トリオが大江戸の悪に挑む必殺シリーズ第一弾!

和久田正明(わくだ まさあき)
1945年、静岡県生まれ。テレビ時代劇の脚本を数多く手がけた後、時代小説の執筆に専念。主なシリーズに「女ねずみ忍び込み控」(学研M文庫)、「八丁堀つむじ風」(廣済堂文庫)、「はぐれ十左暗剣殺」(徳間文庫)、「死なない男」(ハルキ文庫)、「夫婦十手」(光文社文庫)、「黒衣忍び人」(幻冬舎時代小説文庫)などがある。
